空き家を放置すると何が起きる?固定資産税と相続登記の制度を確認

制度 公開 2026年10月11日 ・ 情報確認日 2026年10月11日

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結論

  • 2023年12月13日施行の改正空家法で、特定空家の手前の「管理不全空家」も勧告の対象になりました
  • 勧告を受けると住宅用地特例が外れます。200㎡以下の部分は、固定資産税の課税標準が「価格の6分の1」から本来の額に戻ります
  • 2024年4月1日から相続登記は3年以内が義務です。正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象になります

この記事を書いた人

神奈川県在住で、親世代の家の片付けや空き家の扱いについて、公的な情報を調べて整理しています。

この記事では、国土交通省の改正空家法の資料、法務省の相続登記の案内、横浜市の住宅用地特例の説明を読み、放置した場合に何が段階的に起きるかを表にまとめました。

空き家は増え続けている

総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家率は13.8%で、前回から0.2ポイント上がりました。

中でも、賃貸用・売却用・別荘などを除いた「使い道の決まっていない空き家」は、10年で約318万戸から386万戸に増えています。相続した実家が、そのまま空き家になるケースがここに含まれます。

放置するとどう進むか(段階表)

空家法では、いきなり税金が上がるわけではありません。市区町村からの働きかけが段階的に強まり、「勧告」の時点で税の優遇が外れます。

段階対象市区町村ができること税への影響
1管理不全空家指導まだなし
2管理不全空家勧告住宅用地特例が外れる
3特定空家助言・指導、勧告勧告で住宅用地特例が外れる
4特定空家命令特例は外れたまま
5特定空家代執行(解体など)費用は所有者から徴収

管理不全空家は、放置すれば特定空家になるおそれがある空き家です。2023年の改正前は、特例が外れるのは特定空家だけでした。改正で、手前の段階でも勧告されれば特例が外れるようになりました。

改正では、特定空家の所有者に市区町村長が報告を求める権限もできました。緊急時には、命令の手続きを経ずに代執行できる「緊急代執行」も新設されています。略式代執行や緊急代執行の費用も、国税の滞納処分の例で強制的に徴収できるようになりました。

住宅用地特例が外れると、何がどれだけ変わるか

住宅が建っている土地は、固定資産税と都市計画税の計算のもとになる「課税標準」が軽くなっています。横浜市の説明では次のとおりです。

区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地(200㎡以下の部分)価格の6分の1価格の3分の1
一般住宅用地(200㎡を超える部分)価格の3分の1価格の3分の2

住宅用地として扱われる範囲は、家屋の床面積の10倍までです。固定資産税は毎年1月1日の状態で課税されます。

課税標準の変化を試算した

たとえば、土地の価格(評価額)が1,200万円で、全部が200㎡以下の小規模住宅用地だった場合です。

項目特例あり特例なし
固定資産税の課税標準200万円1,200万円
都市計画税の課税標準400万円1,200万円

特例の分だけ見ると、固定資産税の課税標準は6倍、都市計画税は3倍の差です。ただし住宅用地でなくなった土地は、課税標準の上限が評価額の70%なので、実際の固定資産税は最大で約4.2倍、都市計画税は約2.1倍にとどまります。「空き家の税金が6倍」という言い方は、この上限を考えていない数字です。自分の家でいくらになるかは空き家の維持費計算機で試せます。

実際の税額の増え方は、土地の評価の推移やほかの調整で変わります。自分の実家でいくらになるかは、毎年届く納税通知書の課税標準額を見て、市区町村の税務担当に確認してください。

相続登記の義務化(2024年4月〜)

空き家の問題は、相続から始まることがほとんどです。相続登記の義務化も押さえておく必要があります。

項目内容
開始日2024年4月1日
期限相続で取得したことを知った日から3年以内
遺産分割をした場合分割の日から3年以内に、その内容で登記
2024年4月より前の相続未登記なら2027年3月31日までに登記
怠った場合正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象

過料は、いきなり科されるわけではありません。法務省の説明では、登記官が義務違反を把握すると催告書を送り、それでも登記されなければ裁判所に通知されます。

相続人が極めて多く戸籍集めに時間がかかる場合や、遺言の有効性が争われている場合などは「正当な理由」と認められることがあります。

遺産分割がまとまらないとき

話し合いが長引くときは「相続人申告登記」という方法があります。相続人の一人が単独で申し出れば、その人は期限内に義務を果たしたことになります。

ただし、これは権利関係を示す登記ではありません。法務省も、売却する場合は別に相続登記が必要だとしています。実家を売るつもりなら、結局は相続登記を済ませることになります。

正直なデメリット(注意点)

勧告の前には指導の段階があるので、通知が来ていないのにすぐ増税されることはありません。逆に言えば、市区町村から連絡が来たら放置しないことが大事です。

税金を避けるために家を残し続けると、維持費がかかります。庭木の手入れ、通風、修繕、火災保険などです。家を取り壊せば管理は楽になりますが、住宅が建っていない土地は住宅用地の扱いではなくなるため、解体の前に税務担当に確認してください。

この記事は制度の大枠です。管理不全空家や特定空家に当たるかの判断基準や運用は、市区町村ごとに定められています。実家のある市区町村の空き家担当窓口で確認するのが確実です。

次の一歩

まず、実家の登記簿を取り、名義が誰になっているかを確認します。売るか残すかで迷っているなら、ツールの空き家の維持費計算機で、持ち続けた場合の年間費用を出してみてください。

売る方向なら、相続した空き家の売却で使える3,000万円控除の要件と、不動産一括査定サービスの比較を先に読んでおくと、期限を逃しにくくなります。

出典

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