相続した実家を売るときの3,000万円控除|2027年末までの要件と期限

制度 公開 2026年10月11日 ・ 情報確認日 2026年10月11日

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結論

  • 相続した実家(空き家)を2027年12月31日までに売ると、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できます
  • 2024年1月1日以後の売却で、家と土地を相続した人が3人以上なら上限は2,000万円です
  • 対象は1981年5月31日以前に建てた家で、親が一人で住んでいたもの。2024年からは、買主が翌年2月15日までに耐震改修か取壊しをする場合も対象になりました

この記事を書いた人

神奈川県在住で、親世代の家の片付けや空き家の扱いについて、公的な情報を調べて整理しています。

この記事では、国税庁のタックスアンサー(No.3306、3307、3208、3258)と横浜市の確認書の案内を読み、要件をチェック表に、期限を早見表にしました。税理士ではないので、個別の判断は税務署や税理士に確認してください。

特例のあらまし

正式には「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。2016年4月1日から2027年12月31日までの売却が対象です。

項目内容
控除額譲渡所得から最高3,000万円
相続人が3人以上の場合2024年1月1日以後の売却は最高2,000万円
対象の売却期間2016年4月1日〜2027年12月31日
売る期限相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
売却代金1億円以下

相続人の数は、家と土地を相続した人で数えます。兄弟3人で共有にした場合などが当たります。

相続した年別の売却期限(早見表)

「3年を経過する日の属する年の12月31日」は、言い換えると「相続した年+3年の年末」です。ただし特例そのものが2027年12月31日までの売却に限られるので、どちらか早いほうが期限になります。

親が亡くなった年3年ルールの期限実際の期限(2026年10月時点の制度)
2022年2025年12月31日すでに経過
2023年2026年12月31日2026年12月31日
2024年2027年12月31日2027年12月31日
2025年2028年12月31日2027年12月31日
2026年2029年12月31日2027年12月31日

2025年以降に相続した人は、3年の猶予があるように見えて、実際は2027年末までしか使えません。税制改正で延長されることもありますが、今の時点で決まっているのは2027年12月31日までです。

対象になる家と土地

対象の家は、次の3つをすべて満たす必要があります。

要件内容
建てた時期1981年(昭和56年)5月31日以前
建物の種類区分所有建物の登記がされていないこと(分譲マンションは対象外)
住んでいた人相続の直前に、親(被相続人)以外に住んでいた人がいないこと

親と同居していた家族がいた場合は対象になりません。母屋と離れなど複数の建物がある場合、敷地は床面積の割合で按分した部分だけが対象です。

親が老人ホームに入っていた場合

相続の直前に親が老人ホームなどに入っていても、一定の要件を満たせば対象になります(国税庁No.3307)。

主な条件は、入所時に要介護認定か要支援認定などを受けていたこと、入所後も家が親の物の保管などに使われていたこと、その間に貸したり他人が住んだりしていないことです。

3つの売り方と条件

売り方は3通りあります。どれでも、相続から売るまでの間に、事業・貸付・居住に使っていないことが条件です。

売り方主な条件
家を残して売る売る時点で家が一定の耐震基準を満たしていること
家を取り壊してから土地を売る取り壊してから売るまで、土地に建物などを建てていないこと
売ったあと買主が耐震改修か取壊し売った年の翌年2月15日までに、耐震基準を満たすか取り壊すこと(2024年1月1日以後の売却)

1981年5月以前の家は、そのままでは耐震基準を満たさない場合があります。以前は売主が耐震改修か解体をしてから売る必要がありましたが、2024年からは買主側の工事でも認められるようになりました。

控除の効果を試算した

国税庁の計算式と税率で試算しました。長期譲渡所得(売った年の1月1日時点で所有期間が5年超)に当たる前提です。

前提は、相続人1人あたりの売却額2,500万円、取得費は不明なので売却額の5%(125万円)、仲介手数料などの譲渡費用150万円です。譲渡所得は2,225万円になります。

ケース控除額課税される所得税額の目安
特例を使わない0円2,225万円約452万円
相続人2人以下で特例を使う3,000万円まで0円0円
相続人3人以上で特例を使う2,000万円まで225万円約45.7万円

税率は、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税(所得税額の2.1%)で計算しました。

特例を使わない場合の内訳は、所得税333.75万円、復興特別所得税約7万円、住民税111.25万円です。2,000万円の場合は、所得税33.75万円、復興特別所得税約0.7万円、住民税11.25万円です。

手続きの流れ

特例を使うには、売った翌年の確定申告で、書類を付けて申告します。市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要です。

横浜市の場合、確認書の申請先は住宅政策課で、原則は郵送です。申請者が複数なら、一人ずつ申請書と添付書類一式を出します。確定申告の前は混み合うので、早めの申請を勧めています。

ほかに主な書類として、譲渡所得の内訳書、売買契約書の写しなど売却代金が1億円以下であることを示す書類、家を残して売る場合は耐震基準適合証明書などが必要です。

正直なデメリット(注意点)

要件が細かく、一つでも外れると使えません。横浜市も、確認書を受け取っても税務署で特例が認められない場合があると書いています。売る前に税務署か税理士に確認してください。

親子や夫婦など特別な関係にある人に売った場合は対象外です。同じ物件で、相続財産の取得費の特例など、ほかの特例を受けている場合も使えません。

ほかの相続人の分も含めて売却代金が1億円を超えた場合は、その売却から4か月以内に修正申告と納税が必要です。期限に追われて安く売ってしまうと、控除の得より値下げの損が大きくなることもあります。

次の一歩

まず、親が亡くなった年から売る期限を確認し、登記簿で家の建築時期と名義を見ます。相続登記が済んでいないと売れないので、空き家を放置すると何が起きるかで義務化の内容も確認してください。

売却額の目安は、不動産一括査定サービスの比較を参考に複数社から取ると、上の試算に自分の数字を入れられます。家財が残っているなら片付けを頼むの記事も先に読んでおくと段取りが組みやすくなります。

出典

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